「デスクワークをしていると、だんだん腰が痛くなる」
「長く座ったあと、立ち上がる瞬間がズキッとする」
福島市の40代女性から、そんな相談を受けました。
仕事では長時間パソコンに向かい、座っている時間が長いとのこと。腰を気にしながら「また痛くなるかな」と動くのは、なんとも嫌なものです。
私自身、これまで腰痛の患者さんを数多く見てきましたが、痛い場所だけを見ていると、かえって原因を見失う。これは現場で何度も痛感してきたことです。
今回も、腰を触るだけでは終わりませんでした。
「なぜ?」と気になった腰痛の出方
今回の女性の特徴は、単純に「腰を動かすと痛い」というものではありません。
特に気になったのが、
- デスクワークで座っていると腰が痛くなる
- 座った状態から立ち上がると腰が痛い
- 上半身が左回旋している
- 頭部が常に右側へ側屈している
- 左股関節の動きが狭い
という身体の状態でした。
ここで一つ、患者さんにもお伝えしたことがあります。
「腰が痛いからといって、腰だけに問題があるとは限らないんですよ」
これは腰痛を見るうえで、とても重要な考え方です。
もちろん、姿勢や筋肉の状態だけで腰痛の原因を断定することはできません。腰痛にはさまざまな要因があり、神経症状や強い外傷などが疑われる場合には、医療機関での評価が必要です。
それでも、今回のように身体全体の動きを確認すると、腰以外にも気になる部分が見つかることがあります。
「そこまで見るの?」右大胸筋のスパズム
最初に目についたのは、右大胸筋の緊張でした。
触診すると、右大胸筋にスパズムがあり、上半身全体が左方向へ回旋している状態が確認できました。
さらに左広背筋を見ると、右側と比較して短縮している状態がみられます。
「腰が痛いのに胸や背中を見るの?」
そう思う方もいるでしょう。
しかし、身体は腰・背中・肩甲骨・胸郭・股関節がそれぞれ独立して動いているわけではありません。
たとえばデスクワークでは、パソコン画面を見るために頭部を前方へ出したり、マウスを操作するために腕を前へ置いたりします。
その状態が長時間続けば、胸郭や肩甲骨周囲にも一定の負担がかかる可能性があります。
今回の女性の場合、右大胸筋の緊張、左広背筋の短縮、上半身の左回旋という複数の所見が重なっていました。
ここで私は、腰だけを施術するのではなく、身体全体のつながりを確認することにしました。
「頭が右に傾いている」見落としたくなかった身体のサイン
もう一つ特徴的だったのが、頭部の位置です。
立っている状態を確認すると、頭部が常に右側へ側屈していました。
本人は普段から、その状態を特別おかしいとは感じていなかったそうです。
これは珍しいことではありません。
自分の姿勢は、毎日見ているため意外と気づきにくいものです。
鏡の前に立って、
「頭が少し傾いていませんか?」
と聞かれて初めて気づく人もいます。
ただし、頭部の傾きがあるから腰痛になる、と単純に結びつけることはできません。
そこで重要なのが、一つの姿勢だけで判断しないことです。
頭部、肩甲骨、胸郭、背骨、骨盤、股関節。
それぞれを動かしたときに、どこが動きにくいのか。
そこを一つずつ確認していきました。
「左股関節が動きにくい」立ち上がりで腰が気になった理由
今回、私がもう一つ注目したのが左股関節でした。
可動域を確認すると、左股関節の動きに制限がありました。
デスクワークでは長時間座っているため、股関節は大きく動く機会が少なくなります。
もちろん、「座っているから股関節が硬くなり、腰痛になった」と断定することはできません。
しかし、立ち上がる動作では、股関節だけでなく骨盤や背骨など、複数の部位が協調して動きます。
そのため私は、
「立ち上がる瞬間に、身体のどこが動いているのか?」
を意識して確認しました。
今回の女性では、左股関節の動きの狭さも含め、腰だけを見るより身体全体を評価したほうが、施術方針を考えやすい状態でした。
「腰だけを揉まない」施術で身体の変化を確認
今回の施術では、腰部だけを集中的に刺激する方法ではなく、身体の状態を確認しながら、
- 大腰筋
- 腹斜筋
- 多裂筋
- 肩甲骨周囲の筋肉
- 筋膜
- 背骨周囲
などに対してアプローチしました。
目的は、「この筋肉が腰痛の原因だ」と決めつけることではありません。
動きの制限や緊張がみられる部位を確認しながら、身体がより動きやすい状態をつくっていくことです。
施術後、もう一度身体の動きを確認すると、腰の痛みが減少しました。
患者さんからは、
「腰が楽です」
という言葉が出ました。
この瞬間は、施術者として何度経験しても嬉しいものです。
ただし、ここで「原因が完全に取り除かれた」と考えることはしません。
痛みが減ったことと、今後ずっと痛みが出ないことは別だからです。
「その場だけで終わらせない」セルフケアを一緒に練習
今回、施術後にもう一つ大切にしたのがセルフケアです。
身体を一時的に動かしやすくするだけではなく、普段の生活の中でも自分自身で身体を動かせるようにしていく。
そこで、背骨の柔軟性を出すためのセルフケアを一緒に練習しました。
ここでも、ただ紙を渡して、
「家でやってください」
とはしません。
実際にその場で一緒に動いてもらいます。
「この動きならできますか?」
「ここで痛みは出ませんか?」
そんなやり取りをしながら、無理のない範囲で行います。
セルフケアは、難しい運動をたくさん覚えることが目的ではありません。
むしろ、仕事の合間や自宅で続けられることのほうが重要です。
「一回楽になった」で終わらせない腰痛治療
以前の私は、施術後に患者さんの痛みが減ると、それだけで満足してしまうことがありました。
「痛みが減った。よかった」
それで終わってしまう。
しかし、長く現場に立っていると、ここに落とし穴があると感じるようになりました。
その場で痛みが減っても、数日後に同じ生活をすると再び気になることがあります。
だからこそ、
なぜ今回痛みが出たのかを一緒に整理すること。
そして、
自分の身体を自分でも管理できるようにすること。
この二つを大切にしています。
今回も施術だけで終わらず、背骨を動かすセルフケアを一緒に確認しました。
「腰が楽になった」40代女性が教えてくれたこと
今回の症例で印象に残ったのは、腰そのものだけを見ていたら、見えてこなかった身体の特徴が複数あったことです。
右大胸筋のスパズム。
左広背筋の短縮。
上半身の左回旋。
頭部の右側屈。
左股関節の可動域制限。
そして、大腰筋や腹斜筋、多裂筋、肩甲骨周囲などの状態。
これらを一つずつ確認し、身体の動きを見ながら施術を行いました。
その結果、施術後には腰の痛みが減少。
さらにセルフケアを一緒に練習し、患者さん自身でも身体を動かす方法を確認しました。
「腰痛が減って嬉しいです」
そう言っていただけたことが、今回何より印象に残っています。
福島市で「座っていると腰が痛い」「立ち上がると腰が痛い」と悩んでいる方へ
長時間のデスクワークで腰が重い。
座っていると徐々に痛くなる。
椅子から立ち上がる瞬間に腰が気になる。
そんな場合、痛い場所だけを見るのではなく、普段の姿勢や身体の動きまで確認することで、新しい情報が見つかることがあります。
もちろん、腰痛の原因は人によって異なります。
今回の40代女性と同じ身体の状態だからといって、同じ原因・同じ施術が必要になるわけでもありません。
だからこそ、ふくしま接骨院では「腰が痛い」という一言だけで判断せず、身体全体の動きや生活背景を確認することを大切にしています。
痛みを我慢しながら仕事を続ける毎日から、少しでも身体を気にせず仕事に集中できる毎日へ。
そのために、施術だけではなく、ご自身でできるセルフケアも一緒に練習していきます。
「また腰が痛くなるかも」と不安になりながら毎日を過ごしているなら、一度、ご自身の身体がどう動いているのかを確認してみてください。
あなたの腰痛を考えるヒントは、もしかすると腰以外の場所にあるかもしれません。


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