- 肩こりと腰痛は別々じゃない?僧帽筋・肩甲挙筋から考える「肩と腰」の意外な関係
「肩こりがひどいと思ったら、最近は腰まで痛くなってきた」
「腰痛で来たけど、実は首や肩もずっとつらい」
このように、肩こりと腰痛を同時に感じている方は珍しくありません。
肩と腰はかなり離れています。
そのため、
「肩こりは肩の問題」
「腰痛は腰の問題」
と考えたくなります。
もちろん、実際に肩だけ、腰だけに問題があるケースもあります。
しかし、人間の身体はパーツごとに独立して動いているわけではありません。
立つ、歩く、座る、腕を上げる、身体をひねる。
こうした動作では、首・肩甲骨・背骨・骨盤・股関節などが協調して動いています。
そこで今回は、肩こりと関係の深い僧帽筋と肩甲挙筋を入り口にして、肩こりと腰痛を身体全体の動きから考えてみます。
肩こりといえば「僧帽筋」
まず有名なのが僧帽筋です。
僧帽筋は首から肩、そして背中の中央部まで広がっている非常に大きな筋肉です。
大きく、
- 上部線維
- 中部線維
- 下部線維
に分けて考えられます。
上部線維は肩甲骨を引き上げたり、首や肩甲骨を安定させたりします。
中部線維は肩甲骨を背骨側へ引き寄せる働きがあります。
下部線維は肩甲骨を下方向へ動かす働きなどがあります。
つまり僧帽筋は、
「肩がこると硬くなる筋肉」
というだけではありません。
肩甲骨を適切な位置に保ち、腕を動かすときにも重要な働きをしている筋肉です。
もう一つの重要人物「肩甲挙筋」
そして肩こりを考えるときに忘れてはいけないのが肩甲挙筋です。
肩甲挙筋は、首の上部にある頚椎から肩甲骨へつながっています。
名前の通り、肩甲骨を引き上げる働きを持っています。
そのため、
「肩がすくんでいる」
「首の付け根が張る」
「肩甲骨の上の方が重い」
という場合には、この筋肉も確認したいところです。
ただし、
肩甲挙筋が硬い=肩こりの原因
と決めつけることはできません。
肩こりには、姿勢、筋肉の活動、関節の動き、生活習慣など、複数の要因が関係する可能性があります。
ここが非常に重要です。
なぜ肩甲骨が肩こりに関係するのか?
肩甲骨は、背骨に直接ガッチリ固定されている骨ではありません。
胸郭の上を滑るように動きます。
腕を上げるときも、上腕骨だけが動いているわけではありません。
肩甲骨や鎖骨、胸郭などが協調して動きます。
つまり、
「腕を上げる」という動作も、肩関節だけの仕事ではない
ということです。
肩甲骨の動きが必要になります。
もし肩甲骨周囲の動きが十分でなければ、首や肩周囲の筋肉が肩甲骨を安定させるために働く場面が増える可能性があります。
その中で僧帽筋や肩甲挙筋などに負担が集中すれば、
「肩が重い」
「首が張る」
「肩甲骨の周りがつらい」
と感じることがあります。
では、ここから「腰痛」とどうつながるのか?
ここが今回の一番面白いところです。
肩甲骨は上半身。
腰は下半身に近い場所。
普通に考えると、
「関係ないんじゃない?」
と思いますよね。
しかし、身体を動かすときには、上半身と下半身は連動しています。
例えばデスクワークを考えてみましょう。
長時間座っていると、
頭が前に出る
↓
背中が丸くなる
↓
肩が前に入る
↓
肩甲骨の位置や動きが変化する
という姿勢になることがあります。
さらに、その姿勢を長時間続ければ、背骨や骨盤周囲の動きにも影響する可能性があります。
すると身体は、動作や姿勢を維持するために別の場所でバランスを取ろうとします。
ここで重要なのが、
「どこが痛いか」と「どこに負担がかかっているか」は、必ずしも同じではない
ということです。
例えば「身体をひねる」動作
分かりやすいのが身体をひねる動作です。
後ろを振り向く。
車の後部座席から荷物を取る。
ゴルフで身体を回旋する。
こうした動作では、腰だけをグルグル回しているわけではありません。
胸郭や胸椎、肩甲骨、骨盤、股関節などがそれぞれ動きます。
もし上半身や股関節などの動きが十分でなければ、別の部位に動きが集中することがあります。
その結果、
「腰をひねると痛い」
という症状につながることもあります。
だから腰痛を考えるときも、
腰だけを見るのではなく、身体全体がどのように動いているか
を見ることが重要になります。
肩こりと腰痛がセットになる人は「姿勢」だけを責めない
ここで一つ注意したいことがあります。
「姿勢が悪いから肩こりと腰痛になる」
と単純に決めつけることもできません。
実際には、同じ姿勢で長時間仕事をしていても、肩こりや腰痛になる人もいれば、ならない人もいます。
重要なのは、
姿勢そのものだけではなく、その姿勢をどのくらい続けているのか、身体がその姿勢から動けるのか、筋肉や関節がどのように働いているのか
などを総合的に考えることです。
「悪い姿勢をゼロにする」というより、
同じ姿勢を続けないこと
「いろいろな方向に身体を動かせること」
のほうが重要な場合もあります。
「肩がこるから肩を揉む」「腰が痛いから腰を揉む」だけでは?
肩がつらければ肩を揉む。
腰が痛ければ腰を揉む。
もちろん、それで楽になることはあります。
しかし、何度揉んでも、
「また肩がこる」
「また腰が痛くなる」
という場合は、
「なぜそこに負担が繰り返しかかっているのか?」
を考える必要があります。
例えば、
肩甲骨の動きが少ない。
↓
上半身の動きが少なくなる。
↓
身体をひねるときに別の部位に動きが集中する。
↓
腰周辺への負担が増える。
ということも考えられます。
逆に、
股関節の動きが少ない。
↓
骨盤や体幹の動きが変わる。
↓
上半身の動きにも影響する。
↓
肩や首周辺が頑張る。
というケースも考えられます。
もちろん、これは全員に当てはまるわけではありません。
だからこそ、
「肩が痛いから肩だけ」
「腰が痛いから腰だけ」
ではなく、その人の身体の動きを実際に確認することが大切なのです。
肩こり+腰痛がある人は「肩甲骨」と「骨盤」の動きをチェック
もし肩こりと腰痛の両方があるなら、次のような動きを確認してみましょう。
① 腕を上げる
左右で上げやすさに差はありませんか?
肩だけでなく、肩甲骨もスムーズに動いているでしょうか?
② 首を左右に向く
片側だけ向きにくくありませんか?
首を動かしたとき、肩甲骨周辺まで突っ張りませんか?
③ 身体を左右にひねる
左右で回りやすさに差はありませんか?
腰だけで回そうとしていませんか?
④ 股関節を動かす
しゃがむ、歩く、立ち上がるなどの動作で、股関節が十分に動いているでしょうか?
⑤ 長時間座った後に立つ
立ち上がったとき、
「腰が伸びにくい」
「肩が重い」
「背中が固まっている」
ということはありませんか?
こうした動きを確認すると、単純な「肩こり」「腰痛」という言葉だけでは見えなかった身体の特徴が見えてくることがあります。
肩こりと腰痛を「身体全体」で考える
肩こりがあるからといって、必ず僧帽筋が原因とは限りません。
腰痛があるからといって、必ず腰そのものに問題があるとも限りません。
ただ、
首
↓
肩甲骨
↓
胸郭・背骨
↓
骨盤
↓
股関節
という身体の連動を考えることはできます。
僧帽筋や肩甲挙筋は、その中でも首と肩甲骨をつなぐ重要な筋肉です。
だから肩こりを見るときには、
「この筋肉は硬いか?」
だけでなく、
「この筋肉は、なぜこんなに頑張っているのか?」
を見ることが大切です。
そして腰痛が一緒にあるなら、
「腰だけでなく、上半身や股関節まで含めて、身体全体がどう動いているのか?」
を確認してみる価値があります。
肩こりと腰痛。
一見すると別々の問題に見えますが、身体は一つです。
痛みのある場所だけを追いかけるのではなく、
「身体全体がうまく動けているか?」
という視点を持つことで、今までとは違った原因が見えてくることがあります。
ふくしま接骨院では、肩こりや腰痛に対して、痛みがある場所だけを見るのではなく、首・肩甲骨・背中・骨盤・股関節などの動きを確認しながら、その方の身体の状態に合わせて施術を行っています。

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